西日が眩しい、16時。観客が詰めかけたGREEN STAGEに「水分補給してますか! これからが本番ですよ。最後まで盛り上がっていきましょー!」とゴールデンボンバーが登場。まずは「Hey Yo!」をぶちかましていく。もちろん、この曲のお約束であるタオル回しも炸裂。大盛り上がりの中、鬼龍院翔(Vo)が「ちょっとだけヴィジュアル系っぽい部分があるんですけど、ヘッドバンギングとかやってくれるかな」とアナウンスすると、会場は一斉に頭を振っていった。

「どうも、ゴールデンボンバーです!」と改めて挨拶。鬼龍院は「去年、ゴールデンボンバー(LuckyFesに)出させてもらって、すっごいふざけたの。口にするのも恐ろしいくらいふざけた。もう出れないと思ったら今年も呼んでくれて、ありがとう!」と笑顔を見せる。さらに、今回ゴールデンボンバーは撮影&SNS投稿がOK。それを受けて「昨日のNovelbrightさんのレポ見てたら、みんな写真撮影してて困るんじゃないかなと思ったけど、ゴールデンボンバーさほど撮ってねえな。撮りたきゃ撮る、棒立ちでも全然OKなんで楽しんでってください」と笑いを誘っていく。

ここでそれぞれのメンバーから自己紹介。喜矢武豊(G)は「今日は豪華アーティスト出てますけど、特に私、個人的に好きだったのが今話題の、新しい学校のリーダーズ! 彼女たちのテーマ、個性や自由ではみ出していく。せっかなんで一緒にやっていいですか?」と、観客と一緒に“はみ出していくポーズ”をキメていく。歌広場淳(Ba)は、「ライブ中だろうと手で顔を覆っていただいたり、扇いでいただいたり、自由にしていただいて構いません。それを見たら、ご新規さんがオリジナルの振りで盛り上がってると思ってテンション上がりますんで!」と会場を思いやりながら笑いを誘っていた。樽美酒研二(Dr)はまず歓声を鎮めると、下ネタを大声でシャウト。それを撮影していた観客に、鬼龍院は「証拠を残すな」と思わずツッコんでいた。さらに樽美酒は「僕すごく気になっているアーティストさんがいて。ハラミちゃん!」と告白し、自由すぎるトークを繰り広げていた。

MCの後に続くのは、「また君に番号を聞けなかった」。「簡単な振り付けがあります」とステージでメンバーがお手本を見せると、会場も一体となって踊っていく。クラップも飛び出し、盛り上がっているとおもむろにステージを去る喜矢武と樽美酒。鬼龍院がギターソロのフリをすると、新しい学校のリーダーズ・SUZUKAのコスプレに3名分の人形をつけた喜矢武が登場。“はみ出していくポーズ”を決めるが、着丈が超ミニのセーラー服からは下乳がはみ出しているという様子がおかしい姿を披露。さらにドラムソロでは、樽美酒もハラミちゃんのコスプレをして登場。ミニ丈のワンピースを着ていたのだが、後ろ向きにお辞儀をするとTバックが丸出し。鬼龍院は「何もかも違うから、謝って!」と慌てていたが、喜矢武と樽美酒はそれどころではない。センターポジションを争って、喧嘩が勃発したのだ。2人は飛び蹴りからはじまり、一斗缶やらヌンチャクが飛び出し、しまいには新しい学校のリーダーズの人形で殴ったり、ピアノのオブジェで殴り返したり……。最終的に勝利を収めたのは樽美酒だったが、最後は喜矢武も加わって全員でポーズを取ってみせた。

エンタメ要素がたっぷり詰まりまくっているステージに、観客からもこれでもかというほど笑い声と歓声が上がっていく。こうして大暴れした後、喜矢武と樽美酒は揃って「すいませんでした!」と頭を下げる。樽美酒は「大変申し訳ございませんでした」とお辞儀をするが、またもや後ろ向き。再び綺麗なヒップを露わにしていた。その様子を見たメンバーたちは「なんで(俺ら)撮影OKにした……。絶対拡散しないでよ!」とフリとも思えるセリフを観客に送っていく。さらに「さっき新しい学校のリーダーズさん、すっごい丁寧に楽屋挨拶に来てくださって。このあとやべぇって」(鬼龍院)、「しかもね、本物の靴下もらいました」(喜矢武)という裏話も。

「来年もまた(LuckyFesに)出してください!」と懇願していると、総合プロデューサー・堀義人のパネルがステージに登場。「ここからはゴールデンボンバーwith堀さんでいきましょう」と気を取り直して次の曲へいくことに。「私がオシャレな曲作りたくて、RIP SLYMEさんっぽい感じでやりたかった」と曲振りをして始まったのは、「Yeah!めっちゃストレス」。陽気なサウンドにオネエたちの愚痴が詰め込まれている歌詞が秀逸な一曲だ。サビではメンバーが円になって回ったり、その輪に堀のパネルが加わったり、サザエさん風ダンスをしてみたり。まだまだエンジンをかけ続けていく。

続いては、観客も一緒に騒げる「かまってちょうだい///」。同曲は推しへの複雑な気持ちが、絶妙な塩梅で切り取られている傑作曲。メンバーたちのパフォーマンスにコール・アンド・レスポンスとクラップで応えていく観客の姿も楽曲が歓声する一部となっていたはずだ。

「よくできました!  ラストいけますかー! 最後一緒に思いっきり踊ってください」で始まったラストナンバーは、彼らの代表曲「女々しくて」。待ってましたと言わんばかりにその場にいる全員がジャンプ。最後は、ポンポンを持って披露したチアダンスに会場の熱気は最高潮に高まったまま、ライブに幕を下ろした。全力かつ真面目にふざけることが、最高のエンターテインメントになる。そう思える、最高のライブを見せてくれたゴールデンボンバーであった。

セットリスト
1.Hey Yo!
2.また君に番号を聞けなかった
3.Yeah!めっちゃストレス
4.かまってちょうだい///
5.女々しくて

テキスト:高橋梓
写真:木下マリ/team SOUND SHOOTER